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~に刺激[触発]される / 【働き方】【在り方】【音楽】【読書】【散歩】がテーマのブログです

尾道市✖️シネマ尾道 コラボ企画 vol.2 『建築✖️アート✖️映画 尾道女子トーク』に行ってきました!!

9月24日(日)、広島県尾道市で行われたトークイベント『建築✖️アート✖️映画 尾道女子トーク』に参加してきました。

トークイベントは、それぞれが活動内容を紹介する、3人でトーク、質疑応答の順序で行われました。

トークイベント中に書いたメモを中心に、印象に残った部分を書きます。


【自己紹介】

《大橋実咲さん(アート・マネージャー)》

京都出身
大学院で広島に来る
アート系の大学で現代美術に出会う
現代美術に圧倒されアーティストからマネジメントの世界へうつる

・犬島アートプロジェクト(岡山市)
広島市内の旧ゴミ処理場の活用
・旧日本銀行広島支店の活用

ART BASE百島

旧百島中学校
ゴミがたくさんある
一年半かけてリノベーション
2012年にアートベースとしてオープン
廃油を使ったオイルプールや大きな音がするものなど、通常では常設できないもの展示

海と山のアート回廊
(2017.9.16-11.12)

アートパフォーマンス・パン人間(折元立身)
パンをつけて練り歩くパフォーマンス


現代アート、はじめます。-草間彌生から さわひらき まで」展
尾道市立美術館 2017.9.16-10.22)
現代美術の展示
尾道市立美術館は50代以上の来館者が多いが、現代美術を展示すると 20代や30代、特に女性の来館者が多い

上記のような、マネジメント・オーガナイズをしている


《豊田雅子さん(NPO法人尾道空き家再生プロジェクト代表理事)》

尾道空き家再生プロジェクト
2007年からはじめて、2017年7月7日で10周年を迎えた

空き家の再生

ガウディハウス(昭和8年に建てられた建物)
今年中には再生予定

北村洋品店

三軒家アパートメント

空き家バンク
2009年からスタート
移住・定住のサポート

大型の空き家の活用

あなごのねどこ
町家の建物が尾道にたくさん残っている
移住者さんの仕事をつくりたい
大型空き家、維持管理を含めてやりたい
いろいろな方に尾道にきてもらいたい
路地を楽しむゲストハウス

みはらし亭
大正10年に豪商によって建てられた
戦後に旅館となっていたが、廃業から20年近く経っていた
一年半かけて直す
空き家の片付けと運び出し

尾道建築塾たてもの探訪
ボロい空き家と思ってたものが知識を教えてもらうと宝物に見える

合宿形式で空き家再生

空き家だけでなく空き地も
空き地再生ピクニック
空き地を手作りの公園へ

坂と路地に囲まれ育つ
坂と路地の街に広がる空き家問題
500軒以上の空き家
廃屋廃墟が点在
ガウディハウスと出会い、個人的に買い取って直す
大学は大阪
海外 ヨーロッパの風景古城が好き
旅が好きで一人でバックパッカーをしていた
大学卒業後は添乗員を8年くらいしていた

山と海と島
歴史が積み重なる
鉄道・国道が通る
寺も祭りも残っている
戦災を逃れる今に至る
そんな尾道を守りたい


《河本清順さん(NPO法人シネマ尾道代表理事)》

シネマ尾道
開館9年

2001年に最後の映画館が閉館、「映画館ゼロの町」になってしまう
当時はシネコンがどんどんでてきた時代

高校まで尾道で過ごし、京都に進学

2006年にNPO法人シネマ尾道を設立
まずは、全国のミニシアターの調査からスタート

シアターを1館運営するのに人口30万が必要と言われている
ミニシアターを調査していると、15万人で成立しているところがある
そこは銀行を改修した映画館で、おばちゃんが受け付けをしていた
これはつくるしかない!と思った

最初は三人からはじめた
仲間が徐々に増えていく
上映会を始める
会を重ねるごとに人が増えてきた
最初は600人、2回目は800人
尾道の人も映画館で映画を見たいと思っている、という感触を得る

しかし、最初は契約を結ぶことすらできなかった
大家さんも町の人も、誰もできるとは思っていなかった

それでも4年間続けた

許可もおりていないのに、10月18日にオープンと発表する
10月17日に許可がおりる
許可証は新幹線で担当者が持ってきてくださった

現在24名 20名はボランティア

映画がフィルムからデジタルに変わり経営危機に陥る

機材をそろえる予算がなく、閉館を考える

閉館の方法を他の映画館にききに行くと、尾道の映画館はミニシアターの希望、絶対につぶしてはだめだ、と言われて募金が始まる

今は全国で30数館くらいしかフィルム映写機が残っていない

子供映画ワークショップをはじめる
このワークショップでは必ず『東京物語』をみせる

子供がプロの監督と一緒に映画をとるワークショップ
子供と映画を撮ることはプロの監督にもいい経験になるようで、プロの監督から申し出がある
尾道はプロから憧れの町としてみられていて、行ってみたいと言われる
自腹をきって来て下さる方もいる

尾道市からの委託事業
尾道市映画祭を去年から始める


【女子トーク

《河本さん》
この三人は初めて
(豊田さんと河本さんの二人ではあり)
好きな人とトークがしたくてこのメンバーを集めた

《大橋さん》
京都から尾道への移住が増えている
(大橋さんも京都出身)

広島の大学院を卒業後、東京、岡山を経て百島へ移住

島の人は(大橋さんに対して)何かしてあげたいと思って下さっている
野菜などを下さる

プロジェクトメンバーで移住は自分一人で、他の方は通いだった

アートパフォーマンス・パン人間(折元立身)
世界中で行っているが、一番やりにくい国は日本
しかし、尾道の人は話しかけてくる
尾道では子供が興味を示してくれる
パン人間に子供が参加したのは初めて
「パンを通じてコミュニケーションをとる」

《河本さん》
映画業界でも豊田さんの話がでる
ロケ地などの関係で興味を持たれることが多い
豊田さんに会いたいと言われる人が多い

《豊田さん》
大林監督の映画にでている〜亭が空き家になっていたりして、もったいないなと思う

お寺や公共の建物と異なり、個人の建物はオーナー次第
オーナーがいい時代に建てたものでも、状況の変化で維持できなくなることがある
寺や文化財みたいにみんなで維持できるものにしたい

  • お金の苦労

《大橋さん》
ART BASE百島
立ち上げた人が有名だったので、作品を売って得たお金を資金にできた
助成金の申請を山ほどする
秋くらいから次年度の申請が始まるので常に申請・報告をしている状況になり大変

日本は海外のようにアートに投資することがない
海外とやりとりができることを評価すべきだと思う

《豊田さん》
貯金をはたいて空き家を二軒買う
当時は働いてなく、二人の子供を育てていたので、できる範囲で活動していた
助成金の申請を書いては出し書いては出し、をひたすらやっていた
当時はみんなボランティアみたいな状態なので成立した

その後、Uターン・Iターンが増えて、このままではいけないと思うようになった

最初の収益事業があなごのねどこ
例えば消防設備だけでも100万円が必要
この時に一番お金のことで悩んだ

生活金融公庫からお金を借りた
ものすごく時間がかかった
ありとあらゆることを聞かれた

みはらし亭の時は三日くらいで借り入れができた
実績・信用

《大橋さん》
助成金は後払いなので(経営的な意味での)体力が必要
国のお金を使うということは本当に大変なこと

  • 活動をしていてよかったと思うこと

《大橋さん》
市立美術館で現代美術を取り上げることができた
批判も多いパン人間だが、なんだかんだで声をかけてもらえる
自分のやってきたことは楽しかった、やってよかったと思う

《豊田さん》
尾道からでなくても、日々の生活が楽しい
いい人が移住してくれる
映画館があるから著名な方を間近で見れたり交流できたりする


【質疑応答】

  • お金、時間などの制約がなければやってみたいこと

《豊田さん》
まちの中心部に本屋をつくる
学生の寮をつくる

《大橋さん》
現代アートはまとまってみれない、海外でないとみれない、などの状況が日本にはある
現代アートをまとまってみれる場所をつくりたい

《河本さん》
北野武監督に尾道を舞台にした映画を撮ってほしい
映画はまちの財産になる
尾道をハリウッドにしたい
日常で俳優がいるような状況にしたい


(質問の内容がよく聞き取れず)

《大橋さん》
美術教育がない、あっても現代アートまでいかない
現代アートを子どもたちが楽しんでいるのをみて、教育の課題を感じた

《河本さん》
大人が子どもの創造力を制限しているのではないのかと思う
「子ども向け映画」という言葉が嫌い
大人が勝手にカテゴライズするのが嫌い


《最後の方で豊田さん》
しつこく続けることが大切


【感想】

尾道空き家プロジェクトの豊田さんが出られるということで参加したイベントでしたが、参加してよかったと思える素晴らしいイベントでした。

・河本さんの活動開始から少しずつ仲間が増えていく部分が印象的でした。

・河本さんが経営危機に陥り閉館の方法を聞きに行った際のエピソードでは涙が出そうになりました。

助成金にまつわるエピソードなど、実際に経験しないとわからないような話が聞けたのがよかったです。



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