inspired by

~に刺激[触発]される / 【働き方】【在り方】【音楽】【読書】【散歩】がテーマのブログです

【読書メモ】『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』

【インデックス】

◾️タイトル:『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』

◾️出版社:イースト・プレス

◾️著書:門井慶喜

◾️読了:2019年2月2日


【概要】

・「代替可能世界が高い職業」には多数の仕事がラインナップされているように見えるが、よく見ると、金属加工や事務など一部の仕事が細分化されて並んでいる

・「代替可能世界が低い職業」は、アートディレクターやアナウンサーなど、大くくりの職種ばかりになる

・推測のコア材料である70の職業の代替可能性については、客観的なデータではなく、機械学習の研究者の「主観」に頼っている

・判断はあくまでも「代替できるかどうか」であり、代替コストなどは考慮されていない

・「事務」「流通サービス」「営業」の3職務について詳細にしるせば、その他多くの職務の将来も予測が可能

◼︎事務職の未来

・事務仕事はAIよりもIT化で大部分が解決する

・問い合わせ対応・クレーム対応や、儀礼的な意味での仕事は最後まで人間に残される

◼︎流通サービス業の未来

・AI=頭の進化は重要だが、それに付随する手=メカトロが追いつかないと、代替は成り立たない

・ノウハウが必要な仕事はAIがやり、人間はそれ以外のすき間を埋めるだけになっとしまう

・B to Bの場合、大金を動かすこともあり、専門領域の知識や経験も重要、だからそこに「人」の儀礼的行為が残るが、廉価なB to Cサービスだとそうした儀礼的行為よりも価格が重要になる、だから置き換わりが早い

◾︎営業職の未来

・営業の仕事は顧客のマインドチェンジであり、それは人にしかできない

・「相手の時間と空間を押さえる」ために、「会いたい」と思わせる素材をうまく提供するのが営業

・AIでこちらも進歩するけど相手も同じように進歩する、たとえるなら、昔は刀でチャンバラしていたのが、SFの世界では同じチャンバラをレーザーソードでしているようなもの、だから仕事は増えこそすれ、減りはしない


【感想】

・日々の仕事を通してAIについて考えてみると、代替できたとしても人間が行った方が安いのではないかと思うことがありましたが、「AIで仕事がなくなる」論ではその点には考慮されておらず、その辺りが研究者と自分のような実務を担う人間の視点の違いなのかと思いました

・自分の仕事に関しても、システムを導入できる部分は次々とシステム化するようになり、人間とシステムの橋渡しをしているみたいな感じを受けることが増えているのですが、本書を読んでその実感はあながち間違いではないなと思いました

・「人間の能力の補助を機械が行う」から「機械の能力の補助を人間が行う」ことになるのかなという印象を感じましたが、そのことが幸せなことなのかどうかは今の自分にはわからないと思いました