尾道ゲストハウス「みはらし亭」亭主・支配人企画の音楽イベント『大音無形(DAI ON MU KEI)』に行ってきました
去る9月9日(土)、広島県尾道市で行われた音楽イベントに参加してきました。
『大音無形』
形無き、大いなる音を探る、音祭 DAI ON MU KEI
このイベントを企画されたのはなんと、尾道ゲストハウス「みはらし亭」亭主・支配人である牧原秀雄さん!!
このイベントは牧原さんの個人的なネットワークを活用して実現したようです。
「みはらし亭」はいつか泊まってみたいと思っているゲストハウスです。
カフェには行ったことがありますが、窓からの景色が素晴らしい、居心地のいい場所でした。
そして、イベントが行われる場所は「浄泉寺」というお寺の本堂!!
話を聞いた時には「お寺の本堂でライブ!?」とびっくりして、同時に興味を持ちました。
このイベントの出演者はオランダ人ドラマーのハン・ベニンクさんと、箏(こと)奏者の八木美知依さんです。
ドラムと箏(こと)!?
何から何までびっくりする音楽イベントです。
午後六時。
牧原さんとお寺の方の挨拶の後にイベントが開始しました。
お寺の本堂に設置されライトアップされたドラムと箏(こと)、日が暮れかかっている気配とお寺の鐘の音。
音楽イベントとは思えないような雰囲気と、音楽イベントを盛り上げるにはこの上なくふさわしい非日常感とが混ざったような不思議な空間でイベントが始まりました。
箏(こと)のソロを1曲と箏(こと)+歌の演奏が1曲。
箏(こと)のソロは、ロックやポップスのような展開のある音楽ではなく、空間を音で埋めていくような音楽でした。
自分は「空間に音でペイントする」というような表現をしていますが、いずれにせよ表現のやり方が難しいです。
面白かったのが、恐らくリバーブだと思うのですが、エフェクターを使用していたことです。
箏(こと)とエフェクターという組合せは想像していませんでした。
前の音の残響音の上に新しい音を重ねていましたが、幻想的な響きがしていいなぁと思いました。
【ハン・ベニンクさん】
続いてハン・ベニンクさんのドラムソロ。
開始1打目にフロアタムを大音量で鳴らしたのでびっくりしました。
会場からもびっくりした雰囲気を感じました。
凄いインパクトです!!
続いて繰り広げられる超絶テクニック!!
とにかく速い!!
ハン・ベニンクさんは1942年生まれで70歳を超えられている方なのですが、まったくそんな雰囲気はありませんでした。
繰り広げられる演奏は物凄くエネルギッシュです!!
また、超絶テクニックだけでなく、ユーモア溢れる表現も凄い!!
スティックを口に入れて外に出てる部分を叩いてミョーンみたいな音を出す
かかとをフロアタムに上げてベンド(音程を変える、肘でやる人はよく見ますが、かかとでやる人を見るのは初めてです)
ドラムから離れて床を叩く、床を叩きながら歌う
プロフィールに「超絶技巧なテクニックに加え、即興演奏にドタバタ喜劇の面白さを持ち込んだ彼の演奏は、見ていて思わず吹き出してしまうほど」とありますが、正にその通りでした。
自分は型にハマった演奏をしがちなのですが、ハン・ベニンクさんの演奏に接して改めて「表現とは?」ということを考えてしまいました。
【ハン・ベニンクさんと八木美知依さんによる即興演奏】
15分間の休憩をはさんだ後にハン・ベニンクさんと八木美知依さんによる即興演奏が始まりました。
この即興演奏、練習はおろか打ち合わせもない、完全にステージでの即興演奏とのことです。
お互いが空間に音でペイントするようなイメージの演奏でした。
とはいうものの、正直に言いますと、このような形の即興演奏は接したことがないので、どのような聴き方をすればいいのかわかりませんでした。
ですので、ひたすら目の前で繰り広げられる音の洪水に身を任せるのが精一杯でした。
凄いエネルギーを放つ二人の演奏にただただ圧倒されていました。
『大音無形(DAI ON MU KEI)』と題されたイベントは今回で2回目とのことでした。
普段なじみのない音でしたので内容を理解できたわけではないのですが、単純に楽しかったです。
理解はできなくても、圧倒的なエネルギーに身を任せてみるのは楽しいものだと思いました。
そして、よくわからないようなものでも、楽しそうにみえるものにはとりあえず飛び込んでみる、というのがいいなと思いました。
『大音無形(DAI ON MU KEI)』の3回目があれば参加したいなと思いました。
【余談】
今回のイベントは小さい子供をつれて参加されている方が多いように思いました。
午後6時開始とイベントの時間が早いということもあると思うのですが、「お寺でするイベント」ということが大きいのかな、と思いました。
子供たちは演奏中は本堂の外で遊んでいたりしたようです。
ライブハウスなどで行われるイベントではなかなか見られない光景だったのですが、こういう雰囲気のイベントもいいな、と思いました。
ライブというよりはコミュニティのイベントに近いのかな?
コミュニティの空間とイベントの空間が混ざり合ったような、なんとなく不思議な雰囲気でした。(上手く言葉にできないですが)